プライバシー重視のAI Chrome拡張とは — 入れる前に確認すべきこと
AI 機能付きのブラウザ拡張は便利ですが、「何を・いつ・どこへ送るのか」が不明瞭なまま使うべきではありません。プライバシー重視かどうかは、宣伝文句ではなく、送信のタイミング・データの範囲・権限・保存場所・ログの5点で判断できます。
この記事では、その5点のチェックリストをまず一般論として整理し、後半で Arrows Lite(途中の仕事を保存・再開する拡張)がそれぞれをどう設計しているかを、実装に基づいて説明します。
AI拡張を入れる前に確認すべき5点
どの AI 拡張でも、次の5つが明文化されているかを確認してください。答えが見つからない場合、それ自体が判断材料になります。
- 送信のタイミング:自動で送るのか、ユーザー操作のときだけか。バックグラウンド送信の有無。
- 送信データの範囲:ページ全体か、可視テキストだけか。URL・フォーム値・Cookie は含まれるか。
- 権限:<all_urls>(全サイトへのアクセス)や history・cookies・webRequest 等の広い権限を要求していないか。
- 保存場所:データは端末ローカルか、外部サーバーに蓄積されるか。削除・エクスポートはできるか。
- ログと再利用:送信内容がサーバーのログに残るか。学習や広告に再利用されないか。
Arrows Liteの回答(実装に基づく)
同じ5点に対する Arrows Lite の回答です。これは方針ではなく、リクエストを組み立てるコードとテキスト抽出コードの実装事実です。
| 確認点 | Arrows Lite の設計 |
|---|---|
| 送信のタイミング | AI ページ概要ボタンを押したときだけ。自動送信・定期送信なし。AI を使わなければ送信ゼロ |
| 送信データの範囲 | 対象タブのタイトル+画面に見える本文(最大6000字)+出力言語コードのみ。URL・画像・Cookie・パスワード・フォーム値・隠し要素は送らない |
| 権限 | <all_urls> なし。history・cookies・webRequest・debugger なし。通信先は自前の中継サーバー1件のみ |
| 保存場所 | Saved Cases・付箋はすべて端末ローカル。外部同期なし。JSON でエクスポート/インポート可・アンインストールで消える |
| ログと再利用 | ページ本文・タイトル・トークンをサーバーログに残さない(一般化メッセージのみ)。拡張内に解析・広告 SDK なし |
送るもの・送らないものの詳細な一覧は、別ページ「AIに送るもの・送らないもの」で項目ごとに説明しています。
なぜ「AIが主役」ではない設計なのか
Arrows Lite は AI 要約ツールではありません。目的は「途中の仕事を保存し、翌日そのまま再開する」ことで、AI はその補助 — 保存時に「どこまで進んだか」の下書きを書く係 — に限定されています。
- AI 概要は任意機能。使わなくても保存・整理・再開はすべて動く
- 概要は保存前に自由に編集・破棄できる(AI の出力がそのまま確定しない)
- 対象は保存しようとしている1タブだけ。全タブの走査・監視はしない
AI の役割が小さいほど、送るデータも小さくできます。「Privacy-first の AI 拡張」とは、AI の出番を必要最小限に絞った拡張のことだと考えています。
主張を自分で確かめる方法
プライバシーの主張は、ユーザー側で検証できる形になっているのが理想です。Arrows Lite では次の方法で確認できます。
- Chrome の拡張機能管理画面で、要求権限に <all_urls> が無いことを確認できる
- AI 概要の下書きは保存前に表示されるため、生成に使われた範囲(見えている本文)を目で確認できる
- ストア掲載のプライバシー開示と、公式サイトの説明(送るもの・送らないもの)は実装と同期して更新される
よくある質問
はい。AI ページ概要は任意機能で、ボタンを押さない限り一切送信されません。保存・整理・再開・付箋はすべて AI なしで動きます。
AI ページ概要の利用制御(回数制限・不正利用防止)のためです。サインインが必要なのは AI 機能だけで、トークンはメモリ上のみで扱い保存しません。
送信は自前の中継サーバー経由で AI プロバイダ(Anthropic)の API に渡され、概要文の生成にのみ使われます。中継サーバーはページ本文をログに残しません。
拡張の権限一覧(<all_urls> なし・通信先1件)は Chrome の管理画面で誰でも確認できます。また送信され得る範囲は「画面に見える本文」に限られるため、ページの表示内容が上限になります。